宇宙旅行に行きたいなぁ。と、さっそく5月病です。
俳優の渡辺謙(51)が8日、東京・銀座の東映で会見し、同社創立60周年映画「小惑星探査機 はやぶさ-遥かなる帰還-(仮題)」(来年公開、瀧本智行監督)に主演すると発表した。昨年6月に奇跡の帰還を果たした日本の無人探査機「はやぶさ」の7年に及ぶプロジェクトを描く人間ドラマ。数々の困難に打ち勝った技術者チームのリーダー役の渡辺は、「いまの日本に勇気を届けられる映画になる」と胸を張った。
7年間、60億キロにわたる飛行の末に小惑星のサンプルを持ち帰るという米航空宇宙局(NASA)でも成し得なかった偉業を達成し、日本中を感動させた「はやぶさ」。昨年6月に奇跡の帰還を果たしたニュースを、渡辺も滞在先のロサンゼルスで見ていた。
「やはり日本の技術はすごい。誇りだ」。胸を熱くした渡辺のもとに昨秋、映画のオファーがあり、すぐに快諾した。
演じるのは、「はやぶさ」のプロジェクト・マネジャー。機材やエンジンの故障、通信途絶など多くの困難を乗り越え、技術者チームを引っ張ったリーダーだ。
日本が東日本大震災に直面した今だからこそ、渡辺を含めた製作サイドでは、幾重の困難に打ち勝ったこの実話を通し、リーダーの在り方を伝えたいと考える。
渡辺は4月上旬、役のモデルとなった宇宙科学研究所(現・宇宙航空研究開発機構=JAXA)の川口淳一郎氏(55)と会い、酒席で日本酒1升以上を空けながら、リーダー論を熱く語り合った。
リーダーに必要なものは「責任感。潔さ。決断力」と感じた渡辺は、役作りも兼ねて今作の“プロジェクト・マネジャー”として製作に携わり、現場のリーダーとして指揮を執ることを決意。
「この映画の価値を見定めながら作っていかなければ」と、いま「はやぶさ」を撮ることの意味を真剣に考える。
製作費15億円を投じる同作では、実物大の「はやぶさ」(最大寸法約6メートル)を3体作るほか、CGで宇宙空間を再現。サンプルを収めたはやぶさのカプセルが着陸した豪州・ウーメラ砂漠など、海外でも撮影する。
ちなみに今年から来年にかけては“はやぶさイヤー”で、女優、竹内結子(31)主演の「はやぶさ/HAYABUSA」(堤幸彦監督、10月1日公開)をはじめ、同題材映画が4本公開。日本の誇りを描いたそれぞれの映画が、全国に勇気と希望を与えそうだ。