2011年4月9日土曜日

ベルリン国際映画祭の日本の評価

日本映画の評価ってどうなんだろう。面白いものはいいと思うが。・・ただ、面白いだけのものもあるから。どこの国も同じだが・・ 管理人は個人的にアジア映画は好きだ。得に「美」が組み込まれているもの。 エロ動画とかでもきれいなのありますしね。 ベネチア、カンヌと並び、世界三大映画祭と呼ばれるベルリン国際映画祭が2月19日に閉幕した。今年出品した邦画のなかで、話題の中心となったのは瀬々敬久(ぜぜたかひさ)監督の4時間38分の大作『ヘヴンズストーリー』。新人作品や、実験性・社会性の高い作品を集めた「フォーラム部門」に出品され、国際評論家連盟賞と最優秀アジア映画賞の2つを獲得した。 ヘヴンズ ストーリー  構想に5年、製作に1年半をかけたこの自主映画は、家族を殺された少女と同じ境遇のトモキという男性を軸に、犯罪が人生に及ぼす波紋を9年の時の流れの中で描く人間ドラマ。21 世紀の“罪と罰”ともいえるテーマを、廃墟と化した炭鉱や海辺の街などの印象的な映像で描く、作家性の光る作品だ。  瀬々監督は80~90年代に成人映画を多く手がけたあと、一般映画に進出。最近では09年の『感染列島』などの大型作品でも監督を務めている。今回、あえて自主作品を撮った理由について、「今の日本は国道沿いに大型店が並ぶ一方、駅前の店はつぶれてシャッター通り化するなど、風景が均一化された“のっぺらぼう”な感じになった。最近は日本映画も同様の均一性、のっぺらぼうさがある。だから原点に戻って自分で予算を集め、ピンク映画の時代みたいに好きなことをやろうと思った」と語る。  最優秀賞にあたる「金熊賞」を選ぶのがコンペティション部門。それに次ぐ優秀作を集めた「パノラマ部門」では、深川栄洋監督の『白夜行』が上映された。主演の堀北真希もベルリン入り。レッドカーペットで男性ファンにもみくちゃになるほどの人気だった。東野圭吾のミステリーが原作のこの映画は、創造性と芸術性に優れた一作として評価されたようだ。  過去に5本がベルリンで上映されている岩井俊二監督は、初の英語長編作『ヴァンパイア』がパノラマ部門に登場。蒼井優も英語で熱演するこの作品は、現代社会における自殺や孤独がテーマ。岩井の持ち味である詩的な美しさや感性を壊すことなく、英語作品に移行することに成功していた。 白夜行 ヴァンパイア 世界で引っ張りだこの園子温  一方、ベルリン国際映画祭の見本市にあたるのが「ヨーロピアン・フィルム・マーケット(EFM)」。今年は参加者数、作品数、取引数とも上昇、主催者側は、縮小しつつあった映画産業の風向きがここで変わるのではと期待を寄せる。  ただし、ブースを出す日本の各社は苦戦していたようだ。「ブルーレイの浸透で60~70年代の名作を再発売する国が増え、需要が伸びた」と話す日活のような企業もあったが、多くは日本国内でのヒット作はその内容が海外では受け入れられないと口をそろえる。  そんななかで、とても元気だったのが園子温監督が所属する鈍牛倶楽部。現在、日本で『冷たい熱帯魚』がヒット中の園監督だが、09年に『愛のむきだし』がベルリンで国際評論家連盟賞を取って以来、世界的にファンが急増中。新作『恋の扉』も控えている。EFMでも両作への関心は高く、世界各地の映画祭から招待されスケジュールの調整に追われていた。今の日本映画界で、次なる北野武の座に最も近い存在といえるだろう。  自主映画を好むといわれるベルリン映画祭では、園監督や深川監督など、ぴあが主催し、自主映画の登竜門といわれる「PFF」出身者が話題となることが多い。今年もPFFからは吉田光希、廣原暁監督という新人監督の作品がフォーラム部門で上映された。日本映画が大きく世界に飛躍するためには、こうした自主映画のスピリットをいかに大型作品に移行するかが、カギとなるのかもしれない。