管理人はお父様が大好きなんだよな。松田勇作。
松田翔太が金髪オールバックとなって挑む主演映画『ハードロマンチッカー』のポスタービジュアルが解禁された。顔中傷だらけで流血している松田の姿が大きく写し出されたポスタービジュアルは、けんかに明け暮れる若者たちの青春を描いた本作の、やり場のない怒りや退廃した空気を見事にとらえた仕上がりだ。
髪の毛を渋い金色に染め上げた松田はもちろんのこと、血を思わせる赤が飛び散っていることで見る者を思わずぎょっとさせる本作のポスタービジュアル。よくよく見れば、赤は本物の血ではないということがわかるものの、松田の顔面が傷だらけということもあって、かなりのインパクトがある。若者たちの怒りを体現した本作らしい出来栄えであり、気の弱い人なら一瞬で目を背けてしまう一方で、怖いもの見たさで見ずにはいられない。そんな荒々しい魅力にあふれたデザインとなっている。
ポスタービジュアルからも明らかなように、本作で描かれるのは暴力。それも行き場のない怒りに端を発した暴力であり、結果として作中の若者たちはみんな、けんかに明け暮れている。松田演じる在日韓国人2世で高校中退のフリーター・グーをはじめとする面々がイキのよい方言が飛び交う下関を舞台に、それぞれ情けなく、そしてたくましく泥くさい友情や愛情にまみれながら生きていく姿は、多くの人の心をわしづかみにするはずだ。
暴力やセックス、チンケでありながらディープな愛と憎しみにあふれた世界を活写したのは、映画『偶然にも最悪な少年』のグ・スーヨン監督。姉の死体と共に西を目指す少年の旅路を描いた同作同様、本作では自身の小説を映画化。松田のほか、出演は永山絢斗、芦名星、真木よう子、中村獅童、真木蔵人、渡部篤郎など、豪華俳優陣がそろっていることも見どころの一つ。きらきらした青春時代ではなく、ぎらぎらした青春の衝動を描ききった新たなバイオレンス映画の誕生だ。(編集部・福田麗)