邦画って好きだな。見ていて落ち着く。
役所広司が大日本帝国海軍の軍人・山本五十六にふんし主演を務める映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六』の追加キャストが発表され、玉木宏が物語の語り部役も担う重要な役どころで出演することが明らかになった。玉木がふんするのは、東京日報の記者・真籐利一。五十六を通じて現実と向き合い、真実を導き出していく正義の記者を演じる。一方、五十六に相対する存在となる東京日報の主幹・宗像景清にふんするのは香川照之。当時、絶対的な影響力を誇っていた新聞というメディアを有効活用し、世論を戦争へとあおる憎き主幹役を熱演。どんな役柄でも香川流に演じ切る実力派の彼ならではのハマリ役ともいえそうだ。ほかにも、瀬戸朝香、田中麗奈、益岡徹、袴田吉彦らが顔をそろえており、国の未来のために国難に立ち向かった魂の男・山本五十六の姿を描く本歴史スペクタクル超大作で豪華共演が実現した。
『聯合艦隊司令長官 山本五十六』は、米国日本大使館の勤務経験を持ち、日米の国力の差を誰よりも把握していた山本五十六が、米国との戦いを阻止しようと奮闘し、戦争に勝つことではなく一刻も早く終わらせることを考えた、未来を見据えた男の姿を描く物語。次代を生きる子どもたちのために、戦争賛美の世の中においても難局に立ち向かった五十六を役所広司が演じる。そんな五十六を取材することで現実を知り、真実に気が付いていく若き新聞記者に玉木宏。口数こそ少ないが、周りの意見や状況を冷静にとらえ、世論を代弁する正義の記者を熱演している。また、目まぐるしい会話劇が中心となる本作において、戦争を唯一客観的にとらえた語り部役も担っており、作品全体が玉木演じる真籐利一の視点で構成されるという物語の重要な鍵を握る難役に挑戦している。
そして、紙面で開戦をあおり続けた東京日報の主幹・宗像景清を演じるのは香川照之。1925年に登場したラジオという新たなメディアに対抗し、新聞の威厳を取り戻そうと躍起になりながら、国民の意思を導くことが新聞の使命だと信じている開戦派を熱演。役所演じる五十六と火花を散らす場面も見どころだ。また、東京日報の記者が通う小料理屋の若女将・谷口志津に瀬戸朝香がふんし、一人冷静な目でことの成り行きを見守りる役どころを演じ、同店の常連で志津を姉のように慕うダンサーの神埼芳江を田中麗奈が演じる。益岡徹、袴田吉彦は東京日報の編集部員を演じている。監督は映画『孤高のメス』『八日目の蝉』で注目を浴びる成島出。豪華キャストを迎え、空前の歴史スペクタクル超大作を本年末に世に送り出す。くしくも今、わたしたち日本人一人一人が「何をするべきなのか?」を問われており、過去に実在し日本を思い戦った男たちの熱きドラマから学ぶものがあるかもしれない。(編集部・小松芙未)