芸能人って、他のジャンルもやりたがるもんなのかな。
カナダで開催された『第35回モントリオール世界映画祭』に新作映画『月光ノ仮面』を出品した板尾創路監督から、現地で収録したビデオメッセージがORICON STYLEに到着した。日本よりも緯度の高いカナダの地で、爽やかな風に吹かれながら「お笑いをやっているだけでは、今回みたいに海外の映画祭に招待されることもないので非常に光栄なことです」と充実の表情。相次ぐお笑い芸人の映画監督への挑戦は、現在の地位に甘んじたくない前向きな姿勢の表れなのかもしれない。
同映画祭は、カナダのモントリオールで、毎年8月下旬から9月初頭にかけて開かれるコンペティション形式の国際映画祭。1977年から開催されており、北米最大規模、カンヌ・ベルリン・ベネチアの「世界三大映画祭」に次ぐ映画祭として知られている。
第30回に奥田瑛二監督『長い散歩』、第32回に滝田洋二郎監督『おくりびと』がグランプリを受賞。昨年は『悪人』で深津絵里が最優秀女優賞を受賞。そして、今回も原田眞人監督の『わが母の記』がグランプリに次ぐ審査員特別グランプリ、瀬々敬久監督の『アントキノイノチ』が革新的な作品に贈られるイノベーションアワードを受賞した。
今回、板尾創路の監督・脚本・主演の長編映画第2弾『月光ノ仮面』は世界の注目すべき映画に焦点を当てるフォーカス・オン・ワールドシネマ長編部門(非コンペティション)に招待された。
板尾監督は、「なんといってもここには僕のことを知らない人ばかりだということが気持ちがいいです。先入観なしに、映画『月光ノ仮面』を見て、何かを感じてもらえる。“板尾創路の”という枕言葉は海外の方々にはないですから。作品のクオリティをしっかり感じてもらえることが嬉しいですね」。芸人・板尾創路ではなく、一人の映画監督としての“評価”を望む。
同作は、3月に行われた『第3回沖縄国際映画祭』で初上映され、同映画祭で海外初上映を飾った。「こっち(モントリオール)の人にも喜んでもらえたので感謝しています」と確かな手応えもつかんだ板尾監督は、「前作の『板尾創路の脱獄王』はちょっと悔いが残るところもあったんですが、今回は全くそれがないです。自信をもって公開できるので、皆さん楽しみにしていてください」とキッパリ言い切った。公開は来年1月14日(土)、全国ロードショー。