韓国よりも香港とか中国映画のほうがすきなんだよな。
韓流スターのウォンビンが、2010年に韓国でナンバーワンのヒットを記録した主演映画『アジョシ』PRのため来日し、30日に共演のキム・セロン、イ・ジョンボム監督と共にパークハイアット東京で来日記者会見を行った。ウォンビンの来日は今年1月26日に行われた、第22回日本ジュエリーベストドレッサー賞で特別賞を受賞し、授賞式に出席するため来日して以来で約半年ぶりとなる。この日集まった報道陣はムービーが20台、スチールカメラ80社、全体で約400人のマスコミ関係者が会場に集まり、相変わらずの人気ぶりを印象付けた。
韓国では観客動員数630万人を突破する大ヒットを記録し、数々の国内映画賞を受賞した本作。ウォンビンは無垢(むく)で繊細な青年を演じた前作『母なる証明』(2009)から一転、本作で心を通わせる少女を犯罪組織から救うため、命を張る主人公テシクを熱演。その演技が絶賛され、韓国ではアカデミー賞にあたる大鐘賞の主演男優賞を受賞している。
この日、クールなスーツ姿で登場したウォンビンは、今作にひかれた理由について「まず『アジョシ』というタイトルが気になったし、脚本を興味深く読むことができた。アクションだけでなく主人公のテシクが持っている心の痛みや、隣の少女との触れ合い、そういった心の内面がシナリオにうまく表現されていると感じました」と説明。そして「かっこいいアクションもたくさんあります。でもそのほかの暗いシーンであっても、観客に対して何か希望のメッセージを伝えたいと思いながら演じていました。似た者同士であるひとりの少女とひとりの男の切ない物語だと思ってもらえれば」と作品に込めた思いを熱く語った。
また、かつて第62回カンヌ国際映画祭で上映された韓仏合作映画『冬の小鳥』(2009)での演技で天才子役と絶賛され、今作ではウォンビンふんする主人公テシクを慕う孤独な少女ソミを演じたキム・セロンは「コンニチワ。ハジメマシテ、ワタシハキム・セロンデス。コノエイガヲタノシンデクダサイ」と日本語でかわいらしくあいさつして報道陣のハートをがっちりつかんだ。ウォンビンの印象について「優しくて気を使ってもらいました。現場で寒いときはブランケットを、おなかがすいたときは食べものを持ってきてくれました」とコメント。終始素直で愛らしいコメントを連発して、普段はクールな表情が多いウォンビンをよく笑わせ、すっかり魅了している様子だった。
『アジョシ』は少女救出のサスペンスに、韓国の裏社会の深い闇が絡まる緊迫のストーリーが展開するアクション作。かつて暗殺を主な任務とする特殊要員だったものの、過去のある事件から心を閉ざし都会の片隅で生きていた主人公が、自分を慕うひとりの少女を守るため戦う姿を描く。(古河優)
映画『アジョシ』は9月17日より全国公開