これ見たいや。渡部篤郎、好きだなぁ。
俳優の渡部篤郎(43)が、中国のチャン・イーモウ監督(59)がメガホンを執り、英出身のオスカー俳優クリスチャン・ベール(37)が主演する映画「Flowers of War」(12月世界公開、日本公開未定)に日本代表として出演した。製作費が約6億元(72億円)という大作で、日中戦争初期の南京で旧日本軍に抵抗した米国人神父を描く。渡部は事件に加わった旧日本軍士官を演じた。
「Flowers―」は1937年、旧日本軍が侵攻した南京で、教会に立てこもった米国人神父と13人の女子生徒の壮絶な戦いを描く戦争大作。「ザ・ファイター」で今年のアカデミー助演男優賞を獲得したベールが主人公の神父ジョンを演じる。製作費は72億円で、「紅いコーリャン」「HERO」「単騎、千里を走る。」などで中国を代表するチャン・イーモウ監督にとっても過去最大規模となる。
渡部の役どころは、ジョンと対峙(たいじ)する旧日本軍の長谷川大佐。今年1月から約半年、南京などで撮影に参加した。「まさか自分が監督の作品に出させていただくなんて夢のようだった。また、撮影現場では、スタッフの方の多さにびっくりした。さすが世界規模の作品だと感じた」。現在も政治的な問題となっている「南京事件」がテーマだけに、難しい決断となったが「俳優として映画に参加した。時代背景には、個人的な心情もあるが、戦争は一日も早くなくなってほしい」と話した。
セリフは全編英語で撮影。ベールとの共演については「お芝居に対して、ものすごく柔軟な精神で挑まれていたように思う。アイデアも豊富で、とても貴重な時間を過ごせた」と振り返った。
日本人俳優の一番手として渡部を起用したことについて、チャン監督は「まず演技がうまい経験のある俳優を探していた。かつ英語力も必要。関係資料を見て、彼が非常にこの役に合っていると判断した」。実際に撮影した渡部の印象については「非常にいい俳優。演技もうまいし、仕事にとても真面目な方。体の動きではなく、すべて目つきと表情で内面的な心を表現していた」と話した。また、「軍服姿の渡部さんが初めて南京の撮影所に現れた時、撮影チームの女性陣はみな彼の気質とハンサムな顔立ちに見とれてしまい、みんな彼のことが好きでしたね」と明かした。
◆「悪人」「キル・ビル―」美術監督の種田氏参加 日本からは、「悪人」「キル・ビル vol.1」などで知られる美術監督の種田陽平氏も参加。同氏が手掛けた「スワロウテイル」に出演している渡部は「各国、様々なスタッフがいる中、美術というパートを日本人の方が受け持つことは、やはりそれだけ、種田さんは優秀な方だとあらためて感じることができた」と話している。